カリウム・リンの制限

カリウムについて

昭和大学病院 栄養科科長補佐 管理栄養士 菅野 丈夫 先生にお伺いしました。

カリウムは体の中でどんな働きをしているの?

筋肉の収縮を調整したり、ナトリウムの排泄を促進することで血圧の上昇を抑制したりしています。


高カリウム血症の主な原因

1.カリウム排泄障害:
食事で摂取したカリウムを尿中へ排泄する能力が低下し、それが蓄積します。

2.代謝性アシドーシス:
たんぱく質の代謝によって生じた酸の排泄能力が低下することなどが原因で、体が酸性に傾きます。
そうすると、細胞の中にあるカリウムが血液中に出てきて高カリウム血症となります。


高カリウム血症になるとどうなるの?

筋収縮の調節ができなくなり、その結果、筋の脱力感や、重篤な場合は心停止を起こすこともあります。

カリウム制限のポイント

1.「低たんぱく食」を行うことが基本中の基本です!

食品中のたんぱく質量とカリウム量は正の相関関係にあります(たんぱく質量が多くなればカリウム量も多くなるということ)。
つまり、たんぱく質制限をするとおのずとカリウム制限にもなるのです。
また、たんぱく質制限をすることによって代謝性アシドーシスの予防や改善になります。
これにより代謝性アシドーシスによる高カリウム血症の予防・治療にもなるのです。

2.しかし例外の食品だけは、摂る量に気を付けましょう。

たんぱく質が少なくてもカリウムを多く含む食品がいくつかあります。これらの食品は、食べる量に特に注意しましょう。
1、2のポイントを押さえれば、必要以上に生の野菜や果物を控えなくても大丈夫です。ただし、急激なカリウム値の上昇等「どうしても」という時の緊急避難策としては、野菜の茹でこぼしや缶詰のくだものの使用も効果があります。


1、2のポイントを解りやすく表したのが食品群ごとにカリウムの含有量をまとめた下記グラフです。解説文と併せて確認してみましょう。

  • 一般的に「カリウムが多い」といわれているくだものですが、食品群で見るとさほど多くないことが解ります。

  • それよりも気を付けなければならないのは要注意食品に挙げたいも類、海草ですね。「茄でこぼしをするように」といわれている野菜類よりもカリウムが多いのです。

  • 野菜類も一見多く感じますが、数値を上げているのは主に青菜類です。

  • たんぱく質の多い食品といえば魚介類、肉類ですね。グラフを見るとこれらの食品もカリウムが多いことがよく解ります。

  • 1日のたんぱく質が30g以下の食事療法で、より効果的なカリウム制限が可能となります。



リンについて

昭和大学病院 栄養科科長補佐 管理栄養士 菅野 丈夫 先生にお伺いしました。

リンは体の中でどんな働きをしているの?

骨や歯を形成したり、エネルギーを作り出す素となります。


高リン血症の主な原因

リン排泄障害:
食事で摂りすぎたリンは腎臓でろ過され、尿中に排泄されますが、腎機能が低下するとこの機能も低下し、血液中にリンが蓄積します。


高リン血症になるとどうなるの?

副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるようになり、骨が弱くなったり、血管に石灰が沈着して動脈硬化を促進するようになります。

リン制限のポイント

しっかりと「低たんぱく食」を行うこと!それだけです。

たんぱく質の多い食品には必ずリンも多く含まれています。そのため、リンだけを制限することはほとんど不可能です。
したがって、たんぱく質制限さえしっかり行っていれば、自然とリンの制限にもつながっているということです。
つまり、低たんぱく食=低リン食なのです。

リン制限のポイントを解りやすく表したのが食品群ごとにリンの含有量をまとめた下記グラフです。解説文と併せて確認してみましょう。



  • 魚介類、肉類をはじめ、卵・乳・大豆製品、主食類といったたんぱく質を多く含む食品群とリンを多く含む食品群とが完全に一致していることが解ります。

  • リンはカルシウムの多い食品(乳製品や骨ごと食べられる魚)に多く含まれる傾向にあります。しかしたんぱく質制限を中心に考えればこれらの食品を全く食べてはいけないことはありません。

  • たんぱく質の摂取量をしっかり守った食事をしていれば、リンを制限するために特別に控えなければならない食品は一つもありません。

  • 1日のたんぱく質が30g以下の食事療法で、効果的なリン制限が可能となります。

●腎臓病について

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